研究会レポート2017年9月開催:介護や医療制度改革の方向性
~働く人の仕事と介護の両立に与える影響を考える~
RESEARCH SOCIETY REPORT

今年度2回目となるWork&Care研究会は、「介護と医療制度改革について」、「在宅医療と在宅介護について考えること」をテーマに実施いたしました。
講師は、(株)ベネッセスタイルケア・医療連携部の雫石 健氏と、弊社(株)ベネッセシニアサポートの介護支援専門員の中池 祐子氏。2名の講師、それぞれの現場で様々な経験と知見を基に、介護と医療制度や社会保障制度との関わりについて学びました。

タイムスケジュール
  1. 【講義1】在宅介護・在宅医療の事例
    ~ケアマネジャーの視点から~
  2. 【講義2】社会保障制度改革の全体像と医療制度の仕組み
  3. 【ディスカッション】
    これからの介護や医療制度は、従業員や会社にどのような影響を及ぼすのか

また、参加された皆さまから毎回ご好評を頂くディスカッションは、「現在の医療が抱える課題」、「在宅介護・在宅看取りを担う従業員が増えた際に、会社や職場に起こり得る問題」「その問題に対してどの様に、本人・会社・管理職は対応していくか」をテーマに活発な議論が行われました。

なかでも、従業員が仕事と介護を両立していく際、企業の立場として本当の支援とは何か、という話題に議論が集中しました。
企業として、「制度を整えれば終わり」とするのではなく、「働き方について従業員・管理職共に考えてもらう」と言うメッセージを送り続け、その風土を社内に根付かせていくことが重要である、というご意見が多くありました。

また、個別性が高い介護については、社内でまだ多くの事例として持っていないことから、企業の人事としても対応に困ることが多いとの意見もありました。今後、従業員の介護による様々なケースに対応できるよう、人事からまず医療や介護の制度などを学び、今まで培ってきた人事の強みとうまくコラボレーションさせていくことが今後は必要になる、と思われた方も多くいらっしゃったようです。

雫石 健氏

雫石 健氏

株式会社ベネッセスタイルケア 医療連携部

  • 福武書店入社後、経理部、社長室、海外事業、幼児向け教材「こどもちゃれんじぷち」開発などを担当
  • その後、介護保険法施行に向けて介護事業立ち上げ準備に参画
  • くらら門田屋敷、くらら鷺沼にてホーム長を経験
  • 現在、(株)ベネッセスタイルケア医療連携部にて、有料老人ホームの医療関係の業務を担当

参加された方のご感想

  • 医療という切り口でしたが、会社の関わりという点で新しいアプローチだと思いました。
  • 国の方向性をまとめて頂き、勉強になりました。
  • 社会保障制度の視点から介護を捉えたことはありませんでしたが、社会保障についても理解が出来、介護についても理解が深まりました。
  • 社会保障制度改革と医療制度の仕組みについて理解ができました。
  • 他社の事例も知ることが出来てよかったです。自社の取組みについて考えるきっかけになりました。