インタビュー特集 「仕事と介護の両立支援」への取り組みは、単なる福利厚生ではなく“経営戦略”の一つです 株式会社白川プロ(東京都渋谷区)

「仕事と介護の両立支援」への
取り組みは、単なる福利厚生ではなく
“経営戦略”の一つです株式会社白川プロ(東京都渋谷区)

 

テレビニュースやドキュメンタリー番組の映像編集や音響効果などを手がける、株式会社白川プロ。 生活面の安定があってこそ、専門性の高い仕事で存分に能力を発揮することができると考え、社員の介護問題に取り組んできた同社は、東京都が選定する「東京ライフ・ワーク・バランス認定企業(仕事と介護の両立推進部門)」にも選ばれています。
ベネッセの仕事と介護の両立支援サービス「Work&Care」をどのように活用されているのか、取締役の白川 亜弥様にうかがいました。

01きっかけは、「他人事ではない」という現実感

私自身もあまり介護について知識も興味もない頃、知人からもらった雑誌で「隠れ介護 1300万人の激震」という特集を目にしました。今後、介護離職が激増する時代がやってくる、という警鐘を鳴らすような内容でしたが、「他人事ではない」と、現実感を伴って心に刺さりました。

当時、弊社社員の平均年齢は34?35歳でしたが、大量に採用した世代がまもなく50代に突入する時期で、耳には入っていなくても介護をしている人はいるだろうし、これからどんどん増えていくだろうと思いました。さっそく役員会議で「仕事と介護の両立支援」に取り組んでいきたいと提案したのですが、それが今から3年くらい前のことです。

そもそも、5年前に創業者が亡くなり、会社の執行体制が一新されたのをきっかけに、長時間労働などの労働環境問題を抱えるクリエイティブ業界の古い体制から脱却すべく、社内の制度を整備していたタイミングでもありました。就業規則を変えるなどしながら、まず取り組んだのが「メンタルヘルスケア」でした。世の中の少し先をいき、ストレスチェックを導入したり、冊子を配布したりしました。

その後、いろんな意味で体制が整ってきた頃、次に何か社員のためにできることはないかと考え、テーマとして挙がったのが「介護」です。

02社内の空気を変えていくための施策とは?

まず、社内でアンケートを実施しました。社員の平均年齢が約35歳でありながら、「介護中」もしくは「5年以内に介護の可能性がある」と回答した人が全体の6割にも上り、大変驚きました。潜在的なニーズを改めて実感するとともに、今後、会社として大きな課題になると強く意識させられました。

社長の名前で「仕事と介護の両立に取り組みます!」と全社員に向けて宣言したあとは、「情報」がほしいという声に応え、メンタルヘルスの時と同じように社内で『仕事と介護の両立 事前の心構え』というパンフレットを作成。まずは、40歳以上の社員全員と、40歳未満の希望者に配布しました。以降は、社員が40歳を迎える年の誕生月(=介護保険に加入するタイミング)の給与明細と一緒に渡しています。 また、社会保険や福利厚生の業務担当者を「介護相談員」に任命し、社内で相談しやすい環境を整備していきました。

そして2016年の2月と3月に、ベネッセシニアサポートの「Work&Care」を利用して初めてのセミナーを開催。セミナー後のアンケートで希望者がいたので、個別相談会も実施しました。

実は、未消化分の有給休暇を介護休暇に積み増しできる「介護積立有給休暇制度」や、介護のための「短時間勤務制度」はセミナー実施以前からあったのですが、就業規則に書いてあるだけ、という状態でした。ですが、冊子やセミナーを通して「会社が推進するのなら制度を利用してもいいのかな」「介護をしていると言ってもいいのかな」と、全社的に雰囲気が変わっていくのを感じました。

制作職で「時短勤務」や「介護休暇」は難しいのでは、と思われがちですが、社員一丸となってフォローできるようにみんなが技術を磨いていけばいいわけですから。単に福利厚生の一環ではなく、専門性の高い仕事をいかに維持していくかという、会社の経営戦略の一つとしても重要であると考えています。

03介護問題は「転ばぬ先の杖」。
直面する前に「両立」という選択肢を

“企業が従業員の介護問題にどこまで関わればよいか“を考える勉強会「Work&Care研究会」に参加させていただいたことがきっかけで、先にもお話ししたように2016年2月と3月に弊社でセミナーを開催していただきました。ニーズは決して多くはないけれど、参加者が熱心に聞き入る姿を見て、細々とでも続けていかなければならないと思いを新たにしました。

それ以前にも情報収集をしたり、内部で冊子を作成したりしていたので「自社でもできるのでは?」と考えていましたが、介護について知れば知るほど、任せられる部分はプロにお願いしたほうがいいなと考えるようになり、Work&Care研究会の真摯な姿勢と高い専門性に惹かれ、ベネッセのサービスを導入することに決めました。現在利用している「セミナー」「個別相談ホットライン(電話・メール相談)」「対面個別相談」といったサービスを通して、会社として仕事と介護の問題に取り組んでいるということが社内でより認知され、休みを取りやすい雰囲気になってきているとも感じます。

これらの制度は、あくまでも「転ばぬ先の杖」。本来は利用する状況にならないほうが良いわけですが、介護の問題は時期も状況も人それぞれ。ケースによって様々な対応策が必要となるため、問題が顕在化した時に慌てて取り組みを始めても、解決するのは難しいと思います。介護の問題に直面する前に、働きながらでも介護が行えるための選択肢をいくつも用意し、柔軟に対応できるよう準備しておくことが重要であると考えています。

04介護と向き合う社員に対して、会社としてできること

私自身の知識もまだまだ足りていないと感じていますし、各領域の専門家のアドバイスを受けながら、他社の事例をうかがったり情報交換できたりする貴重な機会であると思っていますので、「Work&Care研究会」にはもっと参加したいですね。

弊社としては、現場の声や要望を聞きながら、今後も改革を進めていきたいと思っています。また、育児支援についてもさらに具体的な取り組みを検討しているところです。「働き方」は、もっと変えていけると考えています。

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インタビュー同日、白川プロにて「自分だったらどんな介護をするか」をテーマに「仕事と介護の両立セミナー」を実施いたしました。受講者の方々は、介護保険制度の基礎知識から介護の現状、お金の問題など真剣に耳を傾けていました。

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