協同組合としてスタートしてから30年にわたり、ITフリーランスのサポートを行う「PE-BANK(ピーイー・バンク)」。
現在は約2,000名のプロエンジニア(PE)が顧客企業と契約し全国で就業しており、
PE-BANKによる営業支援、事務代行、福利厚生支援などのサービスを受けています。
今回は、株式会社PE-BANK ビジネスプロモーション部 部長の高山典久様と、
グループ会社の株式会社MCEAホールディングス 業務サポート部の佐野麻衣様にお話をうかがいました。
創業から30周年を迎えましたが、私たちは一貫して、ITフリーランス(IT個人事業主)にとって「安心して働ける環境・活躍の場・社会的地位の向上」を目指して、様々な支援サービスを充実させてきました。
現在は、「サポート」と「ベネフィット」という2つの大きな軸で、様々なサービスを提供しています。「福利厚生」という面で言えば、入院した場合などに医療費や所得補償手当などを給付してくれる独自の「PE共済会」制度のほか、スキルアップや健康診断やフィットネスクラブのための補助金、メンタルヘルスサポート、そしてベネッセシニアサポートが開催する介護セミナーなどがあります。
創業当時は「ITフリーランス」という働き方は一般的にハードルが高く、思い切った決断が必要だったと思いますが、最近は国が推進する働き方改革や、フリーエンジニアを支援するエージェントの増加などにより、ワークライフバランス重視で独立する人もいます。フリーという働き方は、かつてよりもハードルが低くなっているように感じています。
一方で、独立するからにはやはり高いプロ意識とスキルが必要です。そこで、ITフリーランスの社会的地位向上や信頼性の高さをアピールするために、当社では、長年の経験を活かして「プロ基準」というものを設けました。
「私たちが仕事以外の部分もしっかりサポートするので、プロとして、知識・スキルなど、きちんと身に付けて、高めていってください」というメッセージをITフリーランスに伝えることができましたし、基準をクリアした方々は自信を持ってクライアント企業に紹介できるようになりました。
育児や介護、自身の病気などで就労が制限された場合、最も影響が大きいのが「収入」です。
会社員であれば有給休暇や介護休業制度、病気で働けなくなったら傷病手当金が出るなどのセーフティーネットがありますが、ITフリーランスの場合はありません。
特にITフリーランスの場合は仕事柄、現場に常駐する形で仕事ができないとなると契約の際にとても不利になり、仕事が先細りしていくというリスクがあります。クライアント企業によっては、フルに働けない人と契約するよりも、いざという時に残業できる人を選んでおきたい、という考えもあるかと思います。「普通に」働けるかどうかは、プロエンジニアにとっては切実な問題です。
当社に登録しているプロエンジニアの平均年齢は41歳。そう遠くない将来に、高齢の家族の介護に関わる可能性の高い年代と言えます。「親の介護があるから働けない」という状況にならないためには何が必要なのか、どうすればいいのかを考えた時、私たちは、ITフリーランスに必要なのは「攻めの介護」である、という考えに至りました。
今は公的なものや民間も含め様々なサポート機関や介護サービスがあるので、それをフルに活用して他のエンジニアと同じような働き方ができれば、仕事を続けられるはずだと。ただし、介護サービスを利用すれば、それなりに費用がかかります。だからこそ、その分もしっかり働いて、金銭面でも備えておく必要があります。「介護があるから働くことが難しい」ではなく、「介護があるからいつも通り働く」。それが、私たちが考える「攻めの介護」であり、プロエンジニアに選択してほしい両立のあり方だと考えました。
仕事と介護を両立する際に、どのくらいコストがかかるのかが事前にわかれば、備えておくことができるのではないかと考え、介護に関するサービスや情報を探していた時、ベネッセシニアサポートと出会いました。
介護の問題を抱えるプロエンジニアが増加していくことへの危機感もありましたし、今後、介護支援サービスは確実に必要になるだろうと思っていましたが、介護に関する知識が乏しかったため、プロフェッショナルとタイアップすることを考え、プロエンジニア向けにカスタマイズしたセミナーを提供してもらえるということで、ベネッセシニアサポートに依頼することにしました。
2018年8月に基礎セミナーを大阪・東京にて1回ずつ、同時に電話とメールによる期間限定の個別相談会を実施しました。会場開催のセミナーには各回50名以上もの参加があり、関心の高さがうかがえました。
また、12月にはオンラインセミナーを開催。ご家族にも参加してもらいたいということで、日曜日の午後に設定しました。北海道や九州のプロエンジニアの参加もあり、広い範囲に大事な情報が届けることができ、とても意義を感じました。
ベネッセシニアサポートには、セミナーの内容について、「基礎的な介護保険制度について教えてほしい」「介護に直面しても仕事を辞めなくてもいいと実感できる内容にしてほしい」と依頼しました。自分の家族にどのくらいの「介護力」があるかを可視化できるワークを取り入れたり、仕事と介護を両立するにあたって具体的にどのくらいお金がかかるのかを解説してもらったりしました。必要な情報が網羅されていて、ITフリーランスという職業向けにカスタマイズする柔軟な対応もとてもよかったです。
プロエンジニアには、「働きやすい環境になるよう私たちが全力でサポートするので、ご自身たちは将来に向けて備えておいてくださいね」と伝えたい。お金の備えはもちろん、スキルアップなどもそうです。「人生100年」と言われている今、正社員で仕事をしていれば安心という時代ではありません。
特に日進月歩のIT業界においては、いつまでも必要とされる人材であり続けることが求められます。自分が必要とされる人材になるためには、まずインプットを増やさなければいけないし、自己投資もしていかなければいけない。それを楽しみながらやる、ということができればベストだと思います。
今後、私たちがプロエンジニアに提供していきたいと考えているサービスの軸は「衣・食・住」。企業に属している方が持っているものを、できるだけ補填できるようにしていきたい。あえて会社に雇われないという選択をしたITフリーランスに、社員並みの福利厚生制度を提供できたら面白いんじゃないかなと。私たちの存在価値はそこを追求していくことだと思っています。
何が整っていれば安心できるのかは、人によって違いますので、トライアルアンドエラーを重ねながら、プロエンジニアが必要とするサービスや支援を行っていきたいと思います。
取材日:2019年1月17日
仕事と介護の両立セミナー / オンラインセミナー / 個別相談会
「プロエンジニア向け 仕事と介護の両立セミナー」をオンラインで実施。
インターネットを利用できる環境があれば、パソコンやタブレット、スマートホンで受講が可能なので、北海道から九州まで全国からの受講ができるサービスです。